推しに告白(嘘)されまして。
もう耐えられない、と思ったところで、やっと悠里くんは私を解放した。
「…これは?初めて?」
焦がれるように私を見る悠里くんに、私はこくこくと必死に頷く。
そんな私に、悠里くんは「もう一回だけいい?」と、どこか苦しそうに言った。
「…うん」
目に涙を溜め、もう一度頷く。
すると、悠里くんはまた私の唇を優しく優しく塞いだ。
甘くて甘くて苦しい空間。
カーテンの向こう側の喧騒がまるで嘘かのよう。
甘い吐息はどちらのものなのかわからず、私はただただその甘さに溺れた。