推しに告白(嘘)されまして。
「な、なんで、そ、そうなるの!ち、違うから!」
「えぇ?でもあの席でいろいろ聴いてた人、たくさんいるんだよ?喘ぎ声がした…とか、あとは…」
「あれはちゅー!濃厚なちゅー!」
「濃厚なちゅー、て」
必死に否定する私に、雪乃は変わらぬ笑みを浮かべたままだ。
そんな半笑いの雪乃に、私は必死にあの時の状況を説明した。
性行為ではなく、私たちはあの場であくまで濃厚な接吻をしていただけなのだ、と。
しかし、そんな私に雪乃は「はは、照れ隠し?今さら清楚ぶってもねぇ」と、おかしそうに笑い、全く私の話を信じようとしなかった。
だが、それでも懸命に弁明の言葉を吐き続けていると、とうとう最後には私の話を信じるスタンスを見せてくれた。
「でもさ、状況を整理すると、アンタたち、今まで付き合ってはいたけど、両片思いだったわけじゃん?でも今はもう両思いだし、いよいよヤる時でしょ?」
「え?」
先ほどとはまた違った意味深な笑みを浮かべて、雪乃が楽しそうに、だが、どこか怪しくその可愛らしい瞳を細める。
見た目だけ清楚は小悪魔美少女、雪乃に私は首を捻った。