推しに告白(嘘)されまして。




「そんな顔して見てるけどさぁ、そっちの方がよっぽどだと思うけど?」



何とも言えない気持ちで雪乃のことを見ていると、雪乃はからかうように口角を上げた。



「みんなの注目が集まる文化祭のカップルシートで?周りに聴かせるようにキスして?さらにはその先もヤっちゃったんでしょ?さすがに私、そんなことしないし」

「な……!?えぇ!?」



雪乃の指摘に私は驚きと恥ずかしさで思わず言葉を詰まらせる。
雪乃の言う、「ヤっちゃったんでしょ?」とは、男女の営み、キスのその先、性行為のことなのだろう。
そんなことまだ未体験だし、そもそもあんなところでできるわけがない。

何からツッコミを入れるべきかと、顔を真っ赤にして口をぱくぱく開け閉めしていると、雪乃は「いや、大胆すぎるし、特殊すぎる初体験〜」とおかしそうにしていた。

ち、ちがーう!



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