ひとりぼっちの転生幼女でしたが、最愛の家族ができました~実は神子だった私、ハイスペ兄から溺愛されつつ癒しの才能発揮します!~

 空の色が下から上へと紺色のグラデーションになっている。
 昼だったはずなのに、頭上に広がるのは星空だ。

 私たちは今、先ほどとは明らかに違う場所に立っている。

 もしやこれは瞬間移動的な魔法なのでは?
 神王様を見ても通常モードだから、私だけ驚いていたらおかしいよね。平常心、平常心。 

 目の前にある建物は西洋風の巨大な城で、薄い緑色の石材が使われている。なんだろうって見ていると、神王様から「翡(ひ)翠(すい)で造られている」って言われて震えたよ。どんだけ……。

 地面も緑が多いし、門の前にいる女性たちの服も薄い緑色と灰色のエプロンをしている。
 女性たちの中から腕章を付けた人が一歩前へ出て、深々とお辞儀をした。

「おかえりなさいませ」

「うむ。我が子を見つけた」

「幼き神子様でございますね」

「覚醒は成人後になるだろう。髪と瞳の色は先に出しただけだ」

「さようでございますか」

 私を見る女性の目は穏やかで、施設の先生を思い出させる。
 悪い人ではないと理解はできているんだよ。ただ、体が幼女のせいか人見知りが発動している模様。そっと神王様の太い首に腕を回して顔を隠しちゃう。

「……愛(う)いであろう?」

「さようでございますね」

 なにかやり取りしている声がするけど、今日はあまりにも色々とありすぎて急な眠気が。
 神王様の抱っこでぬくぬくしているうちに、ゆっくりと眠りへと落ちていく幼女でございますよ。

 皆様ごきげんよう。おやすみなさい。ぐぅ。

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