ひとりぼっちの転生幼女でしたが、最愛の家族ができました~実は神子だった私、ハイスペ兄から溺愛されつつ癒しの才能発揮します!~
ビシッと横並びに整列している騎士さんたちの中から、リーダーっぽい騎士さん(十二番を優しく押さえていた人)が一歩前へ出て深々と一礼してくれた。
「新たなる神子様のご誕生を、お慶び申し上げます」
「うむ。しかし、覚醒は先のことぞ。我が子フリューリンデは幼いからな」
「はっ!」
かくせい?と首を傾げる私。最近しょっちゅう首をこてんこてん倒している気がする。
「詳しいことは城に着いてから教えよう」
「あい!」
元気よくお返事できる幼女なのです。
この世界において、神王と神子という存在が尊いとされているのは知っている。でも、施設には絵本みたいなものしかなくて、知識もかなりざっくりしたものになっている。
知識を得るのは好きだ。
勉強も嫌いじゃなかったし、これから色々と教えてもらえるなら嬉しい限り。
さて馬車に戻ろうかと思ったところで、私を抱っこしたままの神王様がなにか囁くような音を発した。
私たちを光が取り囲み、それが魔法陣のような幾何学模様の形となる。
騎士さんたち全員が胸に手を当てて跪いたところで、瞬く間に周りの風景が変化した。