ひとりぼっちの転生幼女でしたが、最愛の家族ができました~実は神子だった私、ハイスペ兄から溺愛されつつ癒しの才能発揮します!~


「いかない」

「なんでだよ!」

「おこられるから」

「ぜったいだいじょうぶだって!」

 こやつめ、なにを根拠に『絶対』などと言えるのか。確率で言えば十二番は百パーセントバレて怒られるのがお約束なのに。

「いこうぜー」

「いかない」

「そとはたのしいぞー」

 やたらはしゃいでいる十二番の後ろに、満面の笑みを浮かべた先生が立っている。

「そろそろ教育の時間です。やる気があるようでなによりですね。十二番」

「ぴゃっ!?」

 やっぱりね。でも、今回は行く前に見つかったからノーカウントかな?

 でもね、本当は少しだけ外には興味がある。時々すごく心がソワソワする感覚があるのだ。

 先生たちを心配させるのは嫌だし、大きくなれば嫌でも施設から出ることになるんだから、焦る必要はないと思っているのだけど。

 この施設にいれば衣食住は困らないし、前世とは違ってのんびり幼女生活を送るのもまたよしってことだ。
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