ひとりぼっちの転生幼女でしたが、最愛の家族ができました~実は神子だった私、ハイスペ兄から溺愛されつつ癒しの才能発揮します!~

神王様の帰還

「三番は賢いから助かるわ。いつもありがとう」

「えへへ」

 優しい笑顔を向けてくれる先生に、思わず照れてしまう幼女な私。
 たいしたことはしていない。
 朝は起きて夜は寝て、三食しっかり食べて、本を読んだり中庭で遊んだり。寝る前に歯みがきして体を拭いたりするだけだ。
 そんな行動をするついでに、仲よしの子を誘っているのがよかったみたい。言うこと聞かない子(十二番)は置いておくとして。

 まぁ前世で考えると、幼稚園や保育園の子どもたちが、先生の言うことを聞くってだけですごいことではある。幼い子は色々な意味で自由奔放だからね……。
 ただ、幼女にしては少し頑張りすぎているのかもしれない。気を抜くと寝てしまったり、起きるのが大変な時もあったりする。まだ小さいから睡眠をたくさんとる必要があるのかもしれない。
「あなたなら、どこの家でも養子にお迎えしたいと思うでしょうね」

「おむかえ?」

「そうよ。きっとたくさん愛してもらえると思うわ」

「たくさん……」

 前世と同じく、今世の私にも親はいない。もちろん前の世界にお世話になっている人はいた。
 それでも……やっぱり「家族」という存在に憧れはあったんだよね。

 私には孤独と戦い続けた前世という、昔取った杵柄がある。そう簡単にはへこたれないぞ、と。
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