一年だけの契約妻で、ほぼ放置されていたのに
私と美蘭さんは二年前から知り合いだった。結婚の話なんて出る前。単純に私のお客さんだった。フリマなどにも直接来てくれて、ぬいぐるみの服やらアクセサリーを買ってくれる。
彼女はアニメオタクで推しぬいも集めている。明里ちゃんのインスタから私のことも知ってくれて、よく購入してくれているのだ。
それが義理の妹になるだなんて。本当に世界は狭い。
最初はふたりとも知らずにクリエイターと客として話していた。そのうち、美蘭さんのほうから「あの、間違ってたら申し訳ないんですけど、斎賀鷹士って人知ってます?」と言われて、知らぬ間に親戚になっていたことに驚いた。
美蘭さんと私が繋がっていたことは誰にも話していない。内緒にしている理由のひとつは単純に美蘭さんが自分の趣味を父親には隠していること。あともうひとつは……。
「あと、これ。メッセージで伝えておいたものなんだけど」
笑顔が消え真顔になった彼女は、別の紙袋を私の前に置く。私はその中身を覗いた。
「できそう?」
「やってみます」
としか言えないのは、思ったよりも状態が悪かったからだ。私の表情から美蘭さんは整った眉を八の字にする。
「勝手なこと言って申し訳ないんだけど、よろしくお願いします」
「はい」
頭を下げる美蘭さんに私は深く頷いた。
私がこの依頼を受けたと知れば、きっと鷹士さんは許さないだろう。
それでも『やらない』という選択肢はなかった。
彼女はアニメオタクで推しぬいも集めている。明里ちゃんのインスタから私のことも知ってくれて、よく購入してくれているのだ。
それが義理の妹になるだなんて。本当に世界は狭い。
最初はふたりとも知らずにクリエイターと客として話していた。そのうち、美蘭さんのほうから「あの、間違ってたら申し訳ないんですけど、斎賀鷹士って人知ってます?」と言われて、知らぬ間に親戚になっていたことに驚いた。
美蘭さんと私が繋がっていたことは誰にも話していない。内緒にしている理由のひとつは単純に美蘭さんが自分の趣味を父親には隠していること。あともうひとつは……。
「あと、これ。メッセージで伝えておいたものなんだけど」
笑顔が消え真顔になった彼女は、別の紙袋を私の前に置く。私はその中身を覗いた。
「できそう?」
「やってみます」
としか言えないのは、思ったよりも状態が悪かったからだ。私の表情から美蘭さんは整った眉を八の字にする。
「勝手なこと言って申し訳ないんだけど、よろしくお願いします」
「はい」
頭を下げる美蘭さんに私は深く頷いた。
私がこの依頼を受けたと知れば、きっと鷹士さんは許さないだろう。
それでも『やらない』という選択肢はなかった。