彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「その後はハロッズなどの百貨店でお土産を探したら、イギリス名物アフタヌーンティーはどうかな?」

「ハロッズのアフタヌーンティーなんて予約しなくて行けるんですか?」

「予約したよ。あそこは知り合いがいてね。優遇してもらった」

「藤堂さんすごい!本当にありがとうございます」

「ただし、今日行くところではなるべく僕と手を繋ぐこと。君はすぐにナンパされそうだし、人が多いから迷子になると面倒だからね」

「大丈夫ですよ、あれからナンパなんてされてません」

「当たり前だよ、僕が牽制してるんだからさ」

「え?」

「ま、いいや。早速行こうか。それにしても今日の君はまた違う魅力があるね。なんか若返った?」

 私は藤堂さんを叩いた。

「失礼ね!どういう意味ですか?」

「いや、昨日はすごくドレッシーで大人っぽかっただろう。今日の君はパンツ姿で活動的だからね」

 日本を出るときは動きやすい服を念頭に持ってきたのだ。お洒落な服なんて昨日のドレスだけだ。今日もスニーカー。

「こんな格好じゃ、藤堂さんの好みには合いません?」

「とんでもない。昨日みたいなお姫様スタイルも素敵だが、今日のほうが僕は嬉しい」

「嬉しい?どういう意味ですか?」

「お洒落してきてくれるのも嬉しいが、僕としては普段の君を知りたかったからね。こういう恰好が本当の君なんだろう?」

「そうです。子供っぽいですか?」

「いや、昨日よりは若く見えるけどそれは化粧のせいだろうな。昨日はばっちりメイクだったろう?」

「もう、藤堂さんすごく私のことを見てました?ちょっと恥ずかしいんですけど……」

 私は顔を隠した。
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