彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「あはは、昨日は本当に驚いたよ。どこかのシンデレラかと思った」

「私も驚きました。藤堂さん、王子様かと思いましたよ」

「は、お互いで褒めてたら世話がないな」

「本当に……」

 二人で笑ってホテルを出た。

 ウエストミンスター寺院は王室の戴冠式、皇太子夫妻のロイヤルウエディングをした場所などで有名だ。とにかくついてすぐ、外装のゴシック建築に圧倒された。

「すごいですね……さすが世界遺産です」

 藤堂さんがうなずいた。

「そうだね。最初は修道院だったって話だ」

 中へ入って圧倒された。ものすごい彫刻。高い天井、荘厳なゴシック調の柱とステンドグラス。ため息しか出ない。

 本物を初めて見たがここまでとは思わなかった。藤堂さんも静かに眺めている。

「ここって、墓地なんですよね?」

「ほら、これはニュートンの墓地。上を見てごらん」

「わあ、星みたい……」

「そうだね。他にも多くの有名人や王や王女などが埋葬されているんだ」

「お墓なのに、きらびやかですね」

「ヘンリー七世の礼拝堂、こっち……」

「わあー、何ここすごい!」

 天井や柱の周りに細工が細かく施され、ステンドグラスからの明かりも美しい。天井にはいろんな色の旗が掲げられている。目がちかちかする。

「美しいですね。こんなお墓ならいいな」

「賑やかすぎない?中で寝ている人が起きてきちゃいそうだよ」
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