彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
* * *
仕事中に佳純から電話が来た。今日は佳純が早番で私は遅番。一緒に昼休みをとれないので、きっと今頃社食に彼女はいる。
「ちょっと、琴乃。ロッカー室に移動して、急いで芸能ニュースを見て!」
「え?なに、どうしたの?」
「ねえ、女優の原口日奈がカンヌで賞を獲ったらしいんだけど、インタビューで昔から親しい外交官の男性が海外での活動の相談に乗ってくれて支えてくれたとか言ってるよ。大丈夫なの、日奈。写真が載ってるけど……藤堂さんなんじゃないの?」
ガタン、私は音を立てて立ち上がった。急いで携帯をもったまま、ロッカー室へ入った。
『原口日奈、外交官の元交際相手と結婚秒読みか』
書かれている文章とモザイクのかかった写真を見て息をのんだ。髪型と立ち姿だけでわかる。隣の男性は間違いなく、玲さんだ。
これは空港?彼の腕に手を回して親し気に彼の顔を見ながら彼女が話している。
記事にはイギリス日本領事館勤務のTさんと書かれている。
「うそ……」
弦也からも心配するメールが来ていた。そこにはニュースが添付されていた。
佳純には、原口日奈が元カノだったらしいと相談していた。彼に聞けないのに、佳純には話していた。
弦也には話していなかったが、写真とイニシャルから彼だと気づいたんだろう。
すると、電話がかかってきた。お母さんだ!
「はい」
「琴乃!テレビ見てたら藤堂さんが映ってる。この人絶対そうでしょ。原口日奈と結婚するのね。お前、騙されてたのよ」
「え?!」
「ひどい人ね。琴乃、考えただけでお母さん……はあ……はあ……」
「お母さん、落ち着いて。大丈夫だから、大きく深呼吸して……お母さん?大丈夫?」
「……はあ……はあ……」
ゴトンと言う音がした。電話を落としたんだろう。
仕事中に佳純から電話が来た。今日は佳純が早番で私は遅番。一緒に昼休みをとれないので、きっと今頃社食に彼女はいる。
「ちょっと、琴乃。ロッカー室に移動して、急いで芸能ニュースを見て!」
「え?なに、どうしたの?」
「ねえ、女優の原口日奈がカンヌで賞を獲ったらしいんだけど、インタビューで昔から親しい外交官の男性が海外での活動の相談に乗ってくれて支えてくれたとか言ってるよ。大丈夫なの、日奈。写真が載ってるけど……藤堂さんなんじゃないの?」
ガタン、私は音を立てて立ち上がった。急いで携帯をもったまま、ロッカー室へ入った。
『原口日奈、外交官の元交際相手と結婚秒読みか』
書かれている文章とモザイクのかかった写真を見て息をのんだ。髪型と立ち姿だけでわかる。隣の男性は間違いなく、玲さんだ。
これは空港?彼の腕に手を回して親し気に彼の顔を見ながら彼女が話している。
記事にはイギリス日本領事館勤務のTさんと書かれている。
「うそ……」
弦也からも心配するメールが来ていた。そこにはニュースが添付されていた。
佳純には、原口日奈が元カノだったらしいと相談していた。彼に聞けないのに、佳純には話していた。
弦也には話していなかったが、写真とイニシャルから彼だと気づいたんだろう。
すると、電話がかかってきた。お母さんだ!
「はい」
「琴乃!テレビ見てたら藤堂さんが映ってる。この人絶対そうでしょ。原口日奈と結婚するのね。お前、騙されてたのよ」
「え?!」
「ひどい人ね。琴乃、考えただけでお母さん……はあ……はあ……」
「お母さん、落ち着いて。大丈夫だから、大きく深呼吸して……お母さん?大丈夫?」
「……はあ……はあ……」
ゴトンと言う音がした。電話を落としたんだろう。