彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 私は驚いて、急いで家へ向かった。近所に住むおばさんにもすぐに連絡した。

 家へ帰る途中でお母さんが病院へ運ばれたとおばさんから連絡が来た。

 私は急いで弦也に連絡して、自分も病院へそのまま向かった。

 病室にはお母さんが寝ていた。点滴をして、酸素マスクをしていた。

「おばさん……ありがとうございました……」

「琴乃ちゃん……発作がひどくなったようで、私がうちについたときは危なかったの。間に合ってよかったけど、一体何があったの?最近は落ち着いていたわよね」

「……」

 どう説明したらいいかわからなかった。するとメールの音がした。見ると、里香さんだった。

「日奈さんから琴乃さんのアドレス聞かれました。教えていいですか?お兄ちゃんが教えてくれないからと言ってました」

 私は里香さんとあのとき電話番号を教えて連絡先をやり取りした。

 おそらく今回の報道のことで、里香さんは日奈さんと私の板挟みになっているのだろう。とりあえず、了承した。

「琴乃ちゃん……」

 すると、そこに弦也が入ってきた。

「姉ちゃん、母さんは?発作起こしたっていったいどうなってんだよ。藤堂さんのせいなんだろう?」

 おばさんが驚いている。

「ちょっと、弦也。大きな声出さないで。外で話しましょう」

 私達は打ち合わせコーナーへ移動した。

「藤堂さんって、確か……琴乃ちゃんの交際相手?その人がどうかしたの?」

「……おばさん、ニュース見てない?」

 弦也が言った。

「弦也!」

「姉ちゃん、隠したってだめだよ。とりあえず、状況を把握しないと。おばさんには迷惑かけたんだからさ」
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