片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「調子があまりよくないなら、引き止めるのも悪いわ……」
「ああ。また今度、気が向いたら愛奈を連れてくる」
「今度はゆっくりできる時に、顔を出してね~!」

 こうして私は圭信のご両親に見送られ、戸川家をあとにする。
 ここから豊臣家までは、歩いて10分とかからない距離だ。
 私達は仲良く手を繋いで並び立つと、雑談をしながら実家へ向かう。

「母が……。その。すまない」
「なんで圭信が謝るの!?」
「同族嫌悪を抱いたのではないのか?」
「あんな素敵なお母様に? あり得ないんだけど!」
「しかし顔色が……」

 ――やっぱり、そこを突っ込まれちゃうかぁ。
 私は誤解を解くため、素直に先程青ざめた理由を口にした。

「腹の中で真逆のこと、考えてたらやだなぁって……」
「まさか。母は器用なタイプではない。君と一緒だ」
「私と?」
「すぐ顔に出る」
「あー……」

 色んな意味で察し、二の句が紡げず押し黙る。
 圭信のお母様は、天真爛漫でセクシーな大人の女性といった風貌の女性であった。
 こちらはあそこまで色気を醸し出せないが、言われてみれば似ているような気がする。
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