片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 ――そっか。彼は、私とお母様を重ねていたのかもしれないね。

「愛奈」
「あ! あそこ! 茶色い外壁の家!」

 嬉しいんだか悲しいんだか、もやもやした気持ちを悟られるわけにはいかず、実家の外壁を指さし、気丈に振る舞っていたのだが――。

「今頭の中で考えていることを、僕に打ち明けてくれ」
「でも、さ?」
「僕に話すまで、実家には戻れないと思え」

 彼は玄関前の門を開けようとした私を強い力で引き止めた。
 こちらは前に進もうとするが、圭信がそこで立ち止まっているせいか。
 力では勝てるはずもなく――。

「怒らないで、聞いてくれる?」
「内容による」

 ここは黙って白状するしかないと観念し、気まずそうに視線を逸らしながら声を発した。

「お母様と私を、重ねていたら嫌だなぁって……」
「あり得ない」
「だから、言いたくなかったんだってば!」
「僕が好きなのは愛奈だ」
「知ってるよ……?」
「これからも、忘れないでくれ。僕が君を、世界で一番愛していると言うことを」

 私はご機嫌な様子を見せる圭信に引っ張られるがまま実家の門を叩いた。

「ただいまー」
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