片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「約1か月前です」
「へぇ……。結婚は、ちいとばかし早すぎるんじゃないかね?」
「お父さん!」

 まさか反対されるなど思わず声を上げれば、黙れと言わんばかりに冷たい視線で見下されてたじろぐ。
 ――お父さんは長年警察官として働いているせいか、曲がったことが大嫌いだから……。
 娘にはもっとゆっくり、愛を育んでほしかったのかもしれない。
 父親はこちらが怯んで二の句が紡げぬ姿を捉えると、再び圭信に狙いを定めた。

「交際の挨拶をすっ飛ばしていきなり結婚とは、随分と急いでるように見える」
「圭信と私は――」
「うちの愛奈は、頭の出来があまりよくなくてな」
「存じております」
「……ちょっと!?」

 確かに交際期間は厳密に言えば0日だが、学生の頃から交流はあるのだ。
 どこの馬の骨かもわからぬ男に騙されたわけではないと説明するつもりだったのに、お父さんから貶されてしまい面食った。

 ――2人とも、酷い……。
 そういうのは、私がいない時にしてよ……。

 遠回しに騙されやすい性格だと共通認識がなされていることに愕然としていれば、彼らはこちらの反応を無視して一触触発な空気のまま言葉を交わし合う。
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