片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「結婚の申し入れが遅れてしまい、申し訳ございませんでした」
「マジか……」

 先程まで頑なに結婚を反対していた様子はどこへやら。
 お父さんはがっくりと項垂れ、白旗を上げた。

「ほら。やっぱりさー。心配する必要なかったじゃなーい」
「お母さん!」

 状況がよく飲み込めない私達に口を挟んだのは、つまんなさそうに爪磨きをしていたお母さんだ。
 相変わらずチャラチャラとしており、大人の色気が満載だった圭信のお母様とはまた違ったタイプの女性だった。

「この人、娘がかわいくて仕方ないのよ~」
「存じております」
「中学時代の同級生だって聞いたら、嫁に出すしかないわよね~?」
「くそ……っ。初恋は実らねぇって言うのに……反則だろ……!」
「いつかは嫁に行くんだから、いいじゃなーい」
「どうしてそう、楽観的なんだよ……!」
「んー。私もあなたと結婚できて、幸せだから?」
「な……っ!」

 厳格な警視総監の姿など見る影もない。
 配偶者の誘惑に負け、顔を真っ赤にするお父さんはなんだかんだ言っても愛妻家なのだ。
 正反対な夫婦のラブラブな様子を見せつけられた圭信は、合点がいったとばかりにぽつりと呟く。
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