片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 曖昧なお父さんの返事を受けた私が、どう読み取ればいいのか迷っていれば――頭を下げた圭信はお礼を告げると、よく回る舌で父親をべた褒めする。

「警視総監にエリート候補と称されるとは……。光栄です」
「事実を述べただけだろ。嬉しそうにされる謂われは……」
「僕は警視総監を目標とし、警察官になったので……」
「あん? なんだって?」

 お父さんは圭信の言葉を、柄悪く聞き返した。
 彼は真剣な表情で今の発言に嘘偽りがないと証明するように、言葉を重ねる。

「犯人に手錠をかける姿は、今も目に焼きついています」
「おう……?」
「僕も警視総監のような立派な警察官になるため、これからも精進して参ります」
「そ、そうか」
「愛奈さんのことは、僕にお任せください」

 ――いつもは呼び捨ての圭信から、さんづけで呼ばれるのはなんだかむず痒い。
 こう言うのも悪くないと幸せいっぱいにはにかんでいると、これ以上反対した所で娘と険悪な空気になるだけだとお父さんも気づいたようだ。

「あー……。もういい。勝手にしろ!」
「ありがと! お父さん!」

 父親はようやく、私達の結婚を了承してくれる。
 一時はどうなることかと思ったが、認めてもらえて本当によかった。
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