片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「戸川警視。話がある。表に出ろ」
「わかりました」

 これで一件落着だと、ほっとしたのもつかの間。
 お父さんは圭信の名を呼ぶと、庭を指差す。

 ――ちょっと待って。決闘でもする気!? 
 慌てた私は、2人を止めようとしたのだが……。

「はーい。愛奈ちゃんはこっちよ~」
「お母さん……」
「女子と男子に分かれて、とっても大事な話をしなくちゃね~?」

 今まで口を挟まずに黙っていた母親から待ったをかけられた私は仕方なく、男性陣をダイニングテーブルの椅子に座ったまま見送った。

「ねぇ、お母さん。お父さんはどうして、あんなにキレてんの?」
「浮ついた話の1つもなかった愛奈が、いきなり結婚の挨拶に来るって言い出したんですもの。しかも、自分の与り知らぬ所で身内との結婚なんて……。許せなかったんじゃないかしら?」

 お父さんが激怒していた理由を面白おかしく語ったお母さんは、明るい声で娘を茶化す。

「愛奈はずっと、委員長くんのことが好きだったんでしょ~?」
「……うん」
「よかったじゃない。初恋が実って」
「ありがとう、お母さん」
「出戻りなんて、許さないわよ~?」
< 144 / 225 >

この作品をシェア

pagetop