片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 どんな対策をしていたって、運が悪ければ被害には遭う。
 いちいち周りの顔色を窺って生きていたら、そもそも私は明るくて元気な性格になんかならなかったはずだ。

 ――やっぱり圭信は被害に合わないように自衛できる、清楚系美少女が好みなのかな……。

 今さら自分と真逆の人間になれと言われても、実践できる気はしない。
 両家の両親に挨拶を済ませて、婚姻届を出したあとなのに――最悪の場合は離婚する羽目になるかも。
 そう思うだけで、憂鬱だった。

「愛奈」
「また、お説教?」
「そうだ。そこに直れ」
「ええ……」

 まさか新婚早々、何気ない雑談から一方的に叱りつけられるなど思いもしない。
 この場から逃げ出したい気持ちでいっぱいになりながらも、上半身を起こす。
 その後、シーツの上にぺたんと女の子座りをしたまま彼を見上げた。

「いいか。そこは本来、心を許した相手だけに見せるべきだ」
「そうだね」
「不浄の場所を見せびらかすなど、僕の妻にふさわしくない」
「じゃあ離婚する?」
「しない」
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