片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 そこは先程のような毒々しい下着から一転、「天使」をイメージした軽やかなつけ心地とデザインを売りにしているメーカーらしい。
 普段着用しているブラのサイズを手にとって無言で彼に差し出せば、圭信はその種類の少なさに驚いているようだ。
 目を丸くしながら呆然と言葉を発したのが印象的だった。

「両極端だな……」

 売れる見込みがあれば大量生産するが、売れないと最初からわかっている商品は製造自体を少なくする。
 それはどこの企業も一緒だ。
 文句を言っても仕方ないと、次々手にとっては棚に戻すのを繰り返した。

「愛奈はいつも、派手なほうを選んでいるのか」
「おんなじ値段なら、かわいいほうがいいじゃん?」
「確かに……」

 それに同意してくれるなら、そもそも下着を一緒に選ぶ必要なんてなかたのではないだろうか……。
 そう言いかけて、すぐさま反省した。
 コミュニケーション不足に陥っていたと、実感したからだ。

「事前に言えばよかったね」
「何をだ」
「カップ数が大きくなると、種類が少なくなること」
「いや。こうしたことは、自分の目で確かめるべきだ」
< 175 / 225 >

この作品をシェア

pagetop