片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「イルデンの……?」
「ああ。詳細は公表されていないので、話せないが……」

 彼がほしいと告げるのはなんだか恥ずかしくて腕へ縋りつくだけに止めれば、私を安心させるように頭を撫でる。

 ――こうやって密着し合ってのんびりするのも、悪くないかも。

 そのためには、不穏な話などさっさと切り上げるべきだ。

「逮捕できそう?」
「恐らくは」
「……早く、捕まってくれるといいんだけど……」

 相手は下着泥棒だ。
 誰かを直接加害した話は、聞こえてこないが……。
 このまま野放しにしておいたら、どこかで大きな事件を起こすかもしれない。

 ――私もそれと関係があるかまでは定かじゃないけど、不審者にあとをつけられたことがあるからね。
 主犯が掴まれば、イルデンの女性従業員をターゲットにした騒ぎも少しは落ち着くだろう。

「引き続き、最善を尽くそう」
「頼りにしてるね。旦那様」
「ああ……」

 彼のゴツゴツとした大きな指先で髪を梳かれると、なんだか眠くなってしまった。
 私は大好きな人の腕に抱かれ、静かに目を閉じた。
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