片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む

 ほかエリアの人達が大騒ぎすれば中に入れるなんてアナウンスをした瞬間、SNSに晒されて大炎上は避けられない。
 失言をしないように気をつけながら魔物の森を地図で指差せば、男性にお礼を言われた。

「ありがとうございます。優しいお姉さんに話を聞けて、本当によかったです」
「これからも、素敵な1日をお過ごしください!」

 こちらに手を伸ばしてきた彼に嫌な予感がした私は、地図から手を離して距離を取る。
 だが、男性はいつまで経ってもその場から動かない。

  (そう言えばこの人、どっかで見たことがあるような……?)

 どこで見たんだろうと不思議がっている間に、彼は館内マップを折り畳む。
 そして、懐から新たに取り出したのは――。

「そんな釣れないことを、言わないでくださいよ……」

 太陽に反射してキラリと光る、折り畳みナイフだった。
 イルデンに入園する前には、金属探知機を使った手荷物検査があるはずなのに!

 どうやって園内に持ち込んだのかと不審がっていた時、私はようやく目の前にいる人物が誰なのかについて合点がいく。

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