片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む

 どうしてもっと早くに気づけなかったのだろうと内心後悔しながら、必死に声を張り上げる。

「ゆ、勇敢なガーディアンの方! 外部から持ち込んだ武器の使用は、ご遠慮頂いております!」

 このあたりに常駐してるクルーは私だけ。
 1人で狂気を持った男性を止めるのは、無理がある。
 しかし、泣き言を言う時間など私には残されていなかった。

 ――早急に、応援を呼ばないと。
 焦った私は異常を伝えるため、必死に声を荒らげて会話を試みた。

「ここはゲームの世界ではありません! 現実です! そのナイフで誰かを傷つけたら、あなたは犯罪者として警察に逮捕されてしまいます!」
「いちいち説明されなくたって、わかっているよ」
「だったら、なんで……!」
「君が憎いからさ。警察官僚の娘として生まれ、順風満帆な生活を送ってきた……。そんな女性に俺達が味わった絶望を植えつけるなら、こうして騒ぎを起こすのが一番だろ?」

 男性は犯行に及んだ理由を芝居がかった口調で、時折おどけながら説明した。

「ねぇ。あの人が持っているのって、ナイフじゃない?」
「クルーと言い争っているみたいだけど……」
「何かのショーかな?」
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