片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 夫の瞳が潤む姿を目にした私は、抱きしめる力を強めた彼に限界を伝える。
 こうして触れ合えるのは、自分が生きているからだ。

 ――偶然2人が居合わせてくれたおかげで、髪を少しだけ切り裂かれるだけで済んだ。
 しかし、運が悪ければ死んでいた。
 そう思えば、ゾッとするが……。
 感動の再会を喜んでいる暇など、今の私達にはない。

「私もさ。圭信に会えなくなるのは、嫌だなぁって思ったよ」
「愛奈……!」
「でもね! 今は仕事中! 感動の再会は、家でやろうよ」
「だが……」

 ここがイルデンで、ひと目のある場所だと忘れているのだろう。
 再び巡り会えた喜びを全身で言い表すように、唇を近づけてきた。
 ――自宅であれば、嬉々として受け入れるけどさ? 仕事中にキスをするのは私のプライドが許せない。

「僕は……」

 口を手で塞いで拒否したのが気に食わなかったのだろう。
 彼はジト目でこちらを見下したあと首筋へ唇を触れ合わせ、好き勝手に舐め回し始めた。

「ん……っ。ちょっと、待って……っ。駄目、だってば……!」

 夫がそこへ口づけるたびに、身体の奥底から快感が湧き上がる。
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