片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 すると、後輩はこちらを小ばかにしたような態度を見せた。

「あんた1人を狙ったくらいじゃ、警視総監を引き摺り出せないですもん。そんなこともわかんないんですか?」
「美久ちゃん……」
「あたし達が誘拐されていた時は、全国ニュースで生中継だってされてた! あの男はカメラの前で友人を見殺しにしたのに、あんたの父親は何の罰も受けてないんですよ! 有耶無耶になるのだけは、絶対に嫌だった! だから、問題を大きくしたんです! 全てはあなたの父親に、絶望を味わわせるために……!」

 そう言えば、職場で下着泥棒が流行っているのだと真っ先に話題を提供してくれたのは、彼女だった。
 恐らくあの時から、この壮大な計画は始まっていたのだろう。

「あのね、美久ちゃん。私は事件の全貌を全て知っているわけじゃないんだ。でも、お父さんの性格はよく理解してるつもり。あなたが思うような……」
「家族には、いい顔をするに決まっているでしょ!? 警察なんて、皆クズです! 人々を守るとか、正義の味方だとか言ってるけど! 結局自分の身がかわいいの! あたし達がどんなに泣き叫んでも、あいつはあの子を助けてくれなかった……!」
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