片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 瞳から大粒の涙を流しながら、彼女は私に思いの丈をぶつける。

「ここに至るまで、あたし達が何もしなかったとでも? 散々頼み込みましたよ! 真実を詳らかにしろって! でも、誰も話を聞いてくれなかった!」
「そう思い込んでるだけかもしれないでしょ? あのさ? 冷静になろう? 私からも、お父さんに……」
「うるさい! うるさい、うるさい! 山岸が捕まった以上、あたし達はもう終わり!」

 ――もしも、あの時。
 圭信と木賀くんが助けてもらえなくて、ストーカーが逃げていたら。
 私が無事に助かり、彼女と言葉を交わせていたら。
 こんなふうにカッターナイフを突きつけられることは、なかったのかな……? 

「あたしはずっと、先輩のことが嫌いでした。今までも、これからも。イルデンで一緒に働いたことは、一生忘れないと思います」
「美久ちゃん……」
「今度は、地獄でお会いしましょうね」
「ま……っ!」

 そんな後悔に苛まれていれば、カッターナイフの先端がこちらに向かって突き出される。
 それを止めようとしたけど――その手を掴むよりも早く、物陰で身を潜めて成り行きを見守っていた男性陣が割って入るほうが早い。
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