片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 ――圭信が帰ってくるまで、時間がありそうだし……。
 たまには手料理でも作っちゃおうかな? 

 そう決めた私はご飯を炊き、手早く野菜と味つけをした肉を炒めて生姜焼き定食を2人分作る。
 それを綺麗にお皿へ盛りつけ、写真を撮影し――。
 圭信にメッセージを送った。

『生姜焼き定食を作って、待ってまーす』

 ――既読印は、すぐについた。

 それはもう、恐ろしい速さで。
 残業だって言ってたのに……。逐一画面を確認する余裕があったのだろうか? 
 私が不思議に思っていれば、すぐに夫から着信が入った。
 もう仕事、終わってるのかな……?
 無視するわけにはいかず、私は渋々電話に出た。

『なんだ、これは』
「メッセージ、ちゃんと見た? 私が作ったんだよ!」

 挨拶すらすっ飛ばして怪訝な声で問い質してくる彼に、私は明るく質問を返す。
 やがてコツコツとアスファルトを一定の間隔で叩いていた音が、早さを増す。
 いつの間にか圭信のスマホからはガサガサと何かが擦れる耳障りな環境音しか、聞こえなくなってしまった。

「圭信? 聞こえる?」

 ――私の問いかけにすら応えてくれないなんて……。
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