片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 何かあったんじゃ? まさか、不審者に襲われたとか!?

 不安でいっぱいになりながらも絶え間なく話しかけ続けていたら、やがて玄関でガタガタと慌ただしく鍵を開ける音が響く。

 ――よかった。電話するまでもなかったみたい。

 私は通話を切断し、リビングの扉へ身体を向ける。
 靴を脱ぎ、ズシズシと大股開きで廊下を歩く音が聞こえてきたのを確認し、私はリビングのドア前に立つ。
 両手を広げ、満面の笑みを浮かべて夫を出迎えれば――。

「お帰り! け――」

 彼は扉を勢いよく開いた直後、勢いよく私を抱きしめた。

「う、う……っ。苦しいよ……っ。思ったより、早かったね……?」
「愛奈に会いたくて、急いで終わせた」
「そっかー。愛の力だね」
「ああ……」

 細い身体に圧しかかる体重を支えきれなくなりそうだと四苦八苦していれば、夫の空返事が聞こえて来た。
 心ここにあらずと言ったような様子が気になった私は、首を傾げて問いかける。

「どうしたの? なんだか、元気ない……?」
「豊臣警視総監から、話を聞いた」
「お父さんに?」
「ああ。彼らの勘違いだったようだ。お義父さんが仕事を全うしたからこそ、あいつらの命は助かった」
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