片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「へー。そうなんだ」
「僕の家に来い。住まわせてやる」

 彼の口から思わぬ提案を受けた瞬間、呼吸が止まった。

 ――そりゃ、同性からの提案だったら嬉しいよ?

 しかし、相手は異性。
 いくら想い人の家に転がり込むとしても、2人暮らしなんて簡単には了承できなかった。

「一応聞くけど……。圭信って、1人暮らしだよね?」
「僕がルームシェアなんてできるような男に、見えるのか」
「1匹狼だもんねぇ。でもさぁ、私とだって……」
「愛奈はいいんだ」
「なんで?」

 同性との生活が耐えられないのなら、私と一緒に暮らすなんて無理に決まっている。
 そう伝えようとした発言は、彼が口にした食い気味の発言によって拒否された。

「僕と暮らすようになれば、そのうちわかるさ」
「えー? はぐらかさないで、教えてよー」
「絶対に嫌だ」

 圭信は露骨に嫌な顔をすると、テーブルの上に置かれた伝票を手に立ち上がる。
 どうやら奢るという話は、冗談ではなく本当だったようだ。

 ――スマートだなぁ……。

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