片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「だったらなおさら、もっと家賃が安いところに住んだらいいのに……。無駄使いは、よくないよ」

 彼はエントランスのロックを解除し、エレベーターに乗り込む。
 扉が閉まり、四角い箱が浮上する間――思ってもみなかった内容を口にした。

「天変地異でも起きぬ限り、駅から近ければ高値で取引されるからな。不要ならば、処分すればいいだけの話だ」

 ――賃貸住宅で、そんな言い方するかな……?

 話が噛み合っていない気がして、私は思わず問いかけてしまった。

「ええと……。圭信はここを、借りているんだよね?」
「いや。購入した」
「いくらで……?」
「君が聞いたら、卒倒するかもしれないな」

 彼は珍しく、口元に不敵な笑みを浮かべて告げる。
 その破壊力は、抜群だ。

 ――ああ、思い出した。
 私は圭信の、こういうところが好きだったんだと……。

 普段は誰に対しても仏頂面で、不機嫌そうな顔をしている彼が――私に話しかける時だけは、いろんな姿を見せてくれる。
 それが何よりも、嬉しくて。もっと彼の表情を引き出したいと思っているうちに、どんどんとスキンシップが激しくなったんだ。
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