片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 結局、自分から好きだと告白できぬまま、私の初恋は宙ぶらりんな状態で放置されていたわけだが……。

「どうした。考え事なんて、君らしくないぞ」
「あー……。うん。圭信との思い出に耽っていたというか……」
「なるほど。ここまで来て、怖気づいたのか」
「そんなわけないじゃん……!」

 見知らぬ男の人から一緒に住まないかって聞かれたら、そもそもこんなふうにノコノコ着いてこない。
 学生時代から交流のある、圭信だからだ。
 それを忘れてもらっては困る。

「なら、いいんだが……」
「1回お世話になるって決めたら、それを撤回なんてしないよ。私、圭信を信頼しているから」
「そう、か……」

 彼は私の言葉に、引っかかりを感じたようで表情が曇る。
 今度はこちらが、問い質す番が来たらしい。
 さっきのお返しも兼ねて、無邪気に煽ってやろうと思ったのだが――残念ながら、それは実行出来なかった。
 エレベーターが、15階で停止したからだ。

「降りるぞ」
「はーい」

 四角い箱の中で立ち話をし続けているわけにもいかず、2人揃って廊下に出た。

「ここが、圭信の部屋?」
「ああ」
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