【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
「……まあその夢は、叶わなかったけど」
眞紀人くんがそう呟くから、私は思わず眞紀人くんの手を握る。
「えっ……?」
私は眞紀人くんに「いつか、見せてあげようよ。眞紀人くんのタキシード姿も」と話すと、眞紀人くんは「タキシード姿ねえ……。確かに、見せてあげないとだな」と少しだけ安心したように微笑む。
「そうだよ。きっと、楽しみにしてると思うよ」
「……そうだといいけど」
眞紀人くんは「でも、俺も父さんのタキシード姿って見たことないな。若い頃の写真にもタキシード姿の写真なんて、なかった気がするし」と笑っていた。
「いつか出てくるといいね、タキシード姿の写真」
「どうかな……出てくるかな」
眞紀人くんは「でも、出てきたらちょっとすごいな」と言って笑っていた。
「出てきたら、教えてね」
「わかった。……あ、俺片付けしないと」
「私も手伝うよ」
「ありがとう、菫花さん」
眞紀人くんが少しでも元気になってくれたら、私も嬉しい。
あの日……お父さんが亡くなった日、眞紀人くんは子供みたいに泣いていた。
本当に大切な家族だったからこそ、眞紀人くんの感情が溢れだしたんだと思う。
きっと眞紀人くんのお父さんは、幸せだったと思う。 眞紀人くんに愛されて、最後まで幸せに生きられたと思う。
眞紀人くんはお父さんのことを誇りに思っていいし、これからたくさん生きればいいと思う。
「眞紀人くん、これ向こうでいいかな?」
「ん、大丈夫」
今日の眞紀人くんは、とてもしっかりしていたし頼もしかった。 きっとお父さんも、喜んでいると思う。
お父さんにとって眞紀人くんは、自慢の息子だと思う。