【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


「菫花さん、よーく覚えておいて」

「ん? な、何を……?」

 眞紀人くんはいきなり私の身体を抱き寄せてくる。

「えっ!? ま、眞紀人くん……?」

 眞紀人くんは耳元で「俺は、かわいいと思う人にはちゃんとかわいいって言うし、キレイだと思う人にはちゃんとキレイだって言うタイプだからね」と告げられた。

「だ、だから……年上をからかっちゃダメじゃないっ!」

 は、恥ずかしい……!

「わかってくれた?」

「わ、わかった! わかったから!」

 いきなり抱き寄せたり、かわいいって言ってきたり、なんかわからないけどドキドキする……!
 し、心臓が持たないっ! た、助けて明日那……!

「よし、じゃあ行こうか?菫花さん」

 恥ずかしさが残る身体に驚きながらも、眞紀人くんが手を差し出してくるから断れずに握るしかなかった。

「今日は父に菫花さんを紹介するだけだから、そんなに気を張らないで」

「う、うん。わかった」

 わかったと言いつつ、緊張するしドキドキするしで、感情が追いつかない。

「父さん、きっと喜ぶと思う。菫花さんのことを見たら」

「そうだと、いいんだけど……」

 初めて会うからどんな人かもわからずではあるけど、結論から言うと悪い人ではなさそうな気がする。

「ねえ、菫花さん」

「ん……?」

 手を繋ぎながら歩くこの感じもなんだか不思議なのに、全然イヤじゃない。 むしろなんだか、この眞紀人くんの手が暖かいからか安心感さえ感じてしまう。

「俺、菫花さんのこともっと知りたいなって思った」

「えっ?」

「いや、違くて……恋人のフリだからとかじゃなくて、純粋にもっと知りたい、菫花さんのこと」

「……そ、そうだね」
< 18 / 112 >

この作品をシェア

pagetop