【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
「菫花さん、よーく覚えておいて」
「ん? な、何を……?」
眞紀人くんはいきなり私の身体を抱き寄せてくる。
「えっ!? ま、眞紀人くん……?」
眞紀人くんは耳元で「俺は、かわいいと思う人にはちゃんとかわいいって言うし、キレイだと思う人にはちゃんとキレイだって言うタイプだからね」と告げられた。
「だ、だから……年上をからかっちゃダメじゃないっ!」
は、恥ずかしい……!
「わかってくれた?」
「わ、わかった! わかったから!」
いきなり抱き寄せたり、かわいいって言ってきたり、なんかわからないけどドキドキする……!
し、心臓が持たないっ! た、助けて明日那……!
「よし、じゃあ行こうか?菫花さん」
恥ずかしさが残る身体に驚きながらも、眞紀人くんが手を差し出してくるから断れずに握るしかなかった。
「今日は父に菫花さんを紹介するだけだから、そんなに気を張らないで」
「う、うん。わかった」
わかったと言いつつ、緊張するしドキドキするしで、感情が追いつかない。
「父さん、きっと喜ぶと思う。菫花さんのことを見たら」
「そうだと、いいんだけど……」
初めて会うからどんな人かもわからずではあるけど、結論から言うと悪い人ではなさそうな気がする。
「ねえ、菫花さん」
「ん……?」
手を繋ぎながら歩くこの感じもなんだか不思議なのに、全然イヤじゃない。 むしろなんだか、この眞紀人くんの手が暖かいからか安心感さえ感じてしまう。
「俺、菫花さんのこともっと知りたいなって思った」
「えっ?」
「いや、違くて……恋人のフリだからとかじゃなくて、純粋にもっと知りたい、菫花さんのこと」
「……そ、そうだね」