【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


「菫花、俺は離婚するつもりなんてないよ」

「はっ? どの口が言ってんの?」  

 浮気しといて「離婚するつもりなんてない」ですって? わがままにもほどがある。

「確かに俺は浮気はしたよ、それは認める。 本当にごめん」
 
 ごめんって、その一言で片付けるつもり?

「……今さら言い訳なんて聞きたくないんだけど」

 どんな言い訳するつもり?  

「あれは気の迷いだったんだよ、菫花」

「気の迷い?……え、何言ってんの?」

 文晶は何を言いたいの? わからない。

「俺が愛してるのは、今も菫花だけだ」

「……そういう言葉は、もう聞き飽きた」

 私を愛してるなら、なぜ浮気するの? それがもう意味わからない。

「菫花、俺は……菫花のことが大切なんだ。 それは変わらないよ、これからも」

 文晶に肩を掴まれた私は、思わずそれを振り払い「私、もう何も聞きたくないし、聞くつもりもないから」と文晶に告げた。

「菫花……許してくれだなんて言わない。 でも離婚だけは、考え直してほしい」

「……だから、何度言われても考え直すつもりないから、私」

 今さら離婚を取りやめることなんてしない。 もう決めたことだから、私はもう前に進みたい。

「菫花、頼むよ……」

 こんな旦那を見るだけで情けないのに、もっと情けない気持ちになるのは私の方だ。

「いい加減にしてくれる? アンタ、自分のしたことわかってて言ってるの?」

「もちろん、わかってる。 だけど俺には、菫花が必要なんだよ」

 私が必要? ふざけんな。

「必要?……笑わせないで。 あなたに必要なのは私じゃなくて浮気相手でしょ? 浮気してるんだから、浮気相手のところにでも行けばいいじゃない」
< 2 / 112 >

この作品をシェア

pagetop