【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 私はリビングのテーブルに離婚届と、左手の薬指の結婚指輪を外して置いた。 
 そして「浮気相手と、どうぞ末永くお幸せにね。……さようなら!」と告げた。

「おい、待ってくれよ菫花……行かないでくれ!」

「今さらなに? 鬱陶(うっとう)しい!」

 私を引き止めたい理由が何なのかはわからないけど、いい迷惑だ。

「さようなら、文晶。 どうか、地獄に落ちてね」
 
「おい、菫花! ちょっと待ってくれよ……!」

 私は最後に文晶にそう告げると、そのまま家を出て行った。 

「さようなら、私の愛おしい文晶」

 でもこれで良かった。 私は文晶と夫婦を続けても幸せになれないと気付いたから。
 子供がいなくて良かったと、今なら思う。

 私は新たな新天地で、また一からやり直す。自分の人生を。


✱ ✱ ✱


 それから八カ月後ーーー。

「菫花、お疲れ様!」

「あ、お疲れ様」

 私は離婚して自分の人生を生き直していた。 北園菫花として、今は楽しく生きている。

「菫花、なんか顔色明るくなったね」

「え、そうかな?」

 私にそう聞くのは同じ職場の同僚だ。 名前は冬島(ふゆしま)明日那(あすな)

「やっぱり離婚したから、色々と吹っ切れた感じ?」

 私は明日那からそう聞かれたので「そうかもしれない。 なんか吹っ切れたらさ、何もかも楽になったんだよね」と返した。

「そっか、楽になったか」

「だって、浮気してる男と一緒に生きる意味なんてあると思う? 同じこと繰り返すんだよ?」

 私がそう聞くと、明日那は「確かに……それもそうね。男は浮気する生き物だしね」と納得したような顔を見せる。

「ね、絶対にそうでしょ?」
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