【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


「じゃあ、目瞑って」

 私は言われたとおりに目を瞑った。その後ちゅっと軽くリップ音が聞こえたきたけど、それは唇にではなくおでこにだと気付いた時にはもう、遅かった。

「えっ……おでこ?」

「あれ?もしかして、期待した?」

「いや、それはっ……」

 だってキスしていい?って聞かれたから、普通に唇だと思うじゃない。 それなのにまさか、おでこだなんて……。

「そっか。期待したんだ?」

「……べ、別に、してない」

 ウソ。本当はどこかで期待してた自分がいた。

「菫花さんて、本当にかわいいね」

「か、かわいくなんて……ないよ」

 かわいいと言われることには、慣れていないからちょっと照れる。 でも眞紀人くんにそう言われたら、本当に嬉しいんだ。

「かわいいよ、菫花さんは。 素直なところが、かわいい」

「……ありがとう、眞紀人くん」

 眞紀人くんは六個も年下なのに、私を喜ばせる言葉を知っている。 それが本当に悔しいくらいに刺さる。

「ねえ、菫花さん……?」

「なに? 眞紀人くん?」

 私は眞紀人くんと目線を合わせた。

「……ごめんね、菫花さん。許して」

「ん? なにを……?」

 かと思ったら、今度は眞紀人くんの唇が私の唇に触れていた。

「言っとくけど、今度のば慰めのキズじゃないから」

「……っ」

 確かにあれは、慰めのキスだと言っていた。 

「慰めでキスなんて……普通はしないよ」

「俺はしたよ、菫花さんに。慰めのキス」

 慰めでキスなんて、どうかしている気がする。 だけど、それは眞紀人くんなりの優しさだと知っているからこそ、イヤだとは感じなかった。

「あ、あのさ……」

「ん?」

「これからも、してくれる……?」
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