【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 だからなのかな……? 私は眞紀人くんに何か通じるものを感じたのかもしれない。
 眞紀人くんと一緒に過ごしていくうちに、そう感じていた。

「確かに、似てるかもね」

 眞紀人くんは私の髪の毛にキスをすると「菫花さん、俺は絶対に、菫花さんのそばから離れないから」と言って抱きしめてくれる。

「うん……私も、眞紀人くんのそばにいるからね。 離れないよ」

「……ありがとう、菫花さん」

 眞紀人くんのこの温もりが温かくて、優しくて、すごく居心地がいい。

「あの時……」

「ん……?」

 眞紀人くんが再び口を開く。

「あの時……雪崩が起きなかったら、俺はどうしてたんだろうな」

 確かに、もしあの時雪崩事故が起きなかったら、眞紀人くんは今でもその彼女と一緒にいたのかもしれない。
 もしかしたら結婚して、子供も産まれていたかもしれない。 そんな未来が……きっと眞紀人くんにも、彼女にもあったと思う。

「きっとその彼女は……眞紀人くんの幸せを、願ってると思うよ」

「……そうだと、いいけど」

 きっとそう。 だから彼女の分まで、眞紀人くんは生きることが彼女への償いのような気がする。

「過去はもう、過去でしかないんだよ。……戻りたいと思っても、もう戻ることは出来ないから」

 私だってそうだ。出来ることなら、文晶と出会う前に戻りたいって思うし。 
 文晶と出会う前に戻って、一からちゃんとやり直したい。 文晶とは違う男性に出会って、デートしたり、映画観たり、色んなことを話したりしたい。

 結婚する前に戻れば私はそもそもバツイチじゃなくなる訳だし、浮気されることもない。 
 もし過去に戻れるなら、私は文晶ではない゙誰がに出会いたかった。 
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