【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 明日那に言われると、なんか嬉しい。

「夫婦なんてものはさ、結局赤の他人って言うじゃん? てことは、アンタたちは赤の他人のままだったってことだよ」

「赤の他人、ね……」

 まあ確かに、赤の他人って言うよね……。

「過去のことを後悔するくらいなら、過去のことを忘れるくらい幸せになってやりなさいよ。 それで、文晶とやらを逆に後悔させてやればいいじゃない」

「……後悔、ね」

 利用されるだけの結婚なんて寂しくて、悲しくて、虚しいだけだと私は知っている。

「眞紀人とやらに幸せにしてもらって、見返してやりなよ」

 私は「うん」と頷きながらも、このままうまく行くとも思えない気がしていた。
 なんでなのかは、わからない。 だけど、直感でそう感じていた。

「私は結構アリだと思うよ?」

「え、なにが?」

「再婚よ、再婚!」

 さ、再婚……!? いやいや、早い早いっ!

「でもさ、アイツを見返せる方法ってそれじゃない?」

「え?」

「眞紀人とやらと再婚して、最高の幸せを掴むことが何より一番苦痛なことだと思うよ。 そもそも眞紀人とやらと結婚しちゃえば、アイツはアンタと再婚することは不可能な訳だし」

「……なるほど」
 
 確かに、それは明日那の言うとおりではある。 アイツは自分の人生のステータスに必要なもの、それを私に求めている。
 だからそのステータスを壊してしまえば、アイツの思い通りになんてなる訳がない。 そのステータスを壊すには、諦めさせるには、もうそれしかないような気がしてならない。

「アンタはアイツに利用されたんだから、そのくらいのことしてもバチなんて当たらないわよ。 いい仕返しになるんじゃない?」

「……確かに、そうかも」
< 75 / 112 >

この作品をシェア

pagetop