【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


「多分文晶からしたら、これは全部私への゙愛情゙だって言うんだろうな……」

「ああ、わかる。言いそう!」

 これは全部愛情の表れなんだと言われそうで、普通に怖い。

「本当にさ、なんでこんな目に遭わないといけないんだろう……。円満に離婚しなかったから?」

 こんなにナイーブになってしまう自分に、本当にイヤになる。

「いやいや、菫花はなんにも悪くないじゃん。悪いのは全部、元旦那でしょ?」

「そうなんだけどさ……。もし私が文晶のことを許してたら、こうはならなかったじゃない?」

 ため息をつく私に、明日那は「そんなこと考える必要ないでしょ。 そもそも、悪いのは浮気してた元旦那なんだし、許す必要とかないからね?」と慰めてくれる。
 
「んー……だよね」

 深く考える必要ないとわかってはいるけど、なんだか腑に落ちない。

「自分のこと傷付けた相手と我慢してまで一緒にいたって、幸せになんてなれないって、アンタもわかってるでしょ?」

「……まあ、そうなんだけどね」

 コーヒーを口にするけど、明日那に「もしかしてまだ、元旦那に情でもある訳?」と聞かれて「いや、ないよ。ない、ない!」と慌てて否定する。

「アンタは優しいから、そうやって深く考えるんだろうけどさ」

「……なに?」

「よく考えてみな? アイツ、最低野郎だよ?浮気したし、アンタのことを利用したし、離婚したのにつきまとってくるし、おまけに婚姻届まで送り付けてきたのよ? そんなヤツのどこに情なんてあるのよ」

 明日那にそう言われてハッと我に返り、「……確かに、そうだよね。 文晶は、ひどい人なのよね」と言葉にする。

「そうよ。アンタは、アイツに傷付けられたのよ? なんなら、恨んでもいいくらいよ」
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