【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


「菫花さんて本当に、料理上手だよね」

「そう? ありがとう」

 眞紀人くんは「菫花のご飯は何を食べても全部美味しいから、こうやって作ってもらえるのが幸せなんだよね」と嬉しい言葉をくれる。

「こう見えても一応、私バツイチだからね。結婚してた頃はほぼ毎日、料理作ってたよ。……まあ、食べてもらえない日も多々あったけど」

 眞紀人くんはお箸を置くと「菫花さん」と私の名前を呼ぶ。

「ん? どうかしたの?」

「俺は、アイツとは違うよ」

「……ん?」

 なにが違うのだろうと思っていると、眞紀人くんが「俺は菫花さんの料理が大好きだし、菫花さんのことも大好きだからね」と言ってくれる。

「あ、ありがとう」

 なんか目の前で言われると、ちょっと照れる……。

「俺は菫花さんの料理をこれからももっと食べたいと思ってるし、菫花さんとこれから料理を一緒に作りたいって思ってる」

「え? 眞紀人くんが料理を?」

「……まあ俺は元々苦手なんだけどね、料理」

 眞紀人くんが料理をしている姿はなかなか想像できないけど、なんかかわいい感じがする。

「でも……菫花さんがいつも美味しいご飯作ってくれるのが、俺本当に嬉しくてさ。 まあ恩返しとまでは、いかないけど……俺も菫花さんと一緒に作りたいなって思ったんだ、料理」

 眞紀人くんがそんなに嬉しいことを言ってくれるとは思わなくて、びっくりしてしまった。

「ありがとう、眞紀人くん。 私、そんなこと一度も文晶に言ってもらったことないから……嬉しいよ」

 眞紀人くんは本当に心の優しい人だな。

「単純に俺も、菫花さんみたいに料理上手くなりたいなって思っただけ……なんだけどね」

「今度、なにかご飯食べさせてね」
< 94 / 112 >

この作品をシェア

pagetop