【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 眞紀人くんは「んー、いいけど。俺、味噌汁とカレーとチャーハンと目玉焼きしか作れないよ」と恥ずかしそうに言っているその姿がかわいくて、私はつい「味噌汁もカレーもチャーハンも目玉焼きも、全部立派な料理だよ」と言ってしまった。

「菫花さん、俺のこと甘やかしすぎじゃない?」

「え? いやいや、そんなことないよ」

 こんなにかわいい眞紀人くんを見ていると、なんだか癒される気がするし、一緒にいて本当に楽しい。

「今度、一緒に作りたいものがあれば一緒に作ろう」

「そうだな……。じゃあ、その時はリクエストしていい?」

「うん。遠慮なくどうぞ」

 誰かに今まで「一緒に料理を作りたい」なんて言われたこと、誰にも言われたことがなかったけど。……あんな風に言われたら、やっぱり嬉しいなって思う。
 誰かと一緒に食べるのもやっぱりいいけど、一緒に作るのもきっと楽しいんだろうな。
 眞紀人くんとだったら、なおさら楽しい気がする。

「私……初めてかも」

「ん? なにが?」

 美味しそうに煮付けを食べている眞紀人くんに、私は「誰かと一緒に料理したいって思えたの、私も初めてかも。 想像しただけで、楽しい気がした」と話したら、眞紀人くんは嬉しそうに「そうでしょ? 二人って、本当はすごく楽しいものなんだよ」と微笑んでいた。

「こんなに楽しいんだな……」

 二人って、こんなに楽しいって思えるものなんだ。 文晶の時には、あまり感じたことがなかったことだな。
 大好きな気持ちがあれば、幸せになれるとばかり思い込んでいた証拠だな。 
 出来ればあの時にもっと早く知るべきだった、文晶の本性。 そしたら私の男性の見る目が、もっと養われたかもしれない。

「菫花さん、大丈夫?」
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