その恋、連載にしてやるよ〜人気作家に溺れていくなんて、聞いてません〜
「でも、そういうの嫌いじゃない。地味で、真面目で、恋に不器用そうな女が――恋に堕ちていくのが、一番面白いんだから。」

「……私は、堕ちませんよ。」

「それはどうかな?」

意味ありげに、私のグラスに視線を落とす。

「ほら、ワイン。飲んでみなよ。ちょっと酔った方が、心が素直になるかもよ。」

(……もう。なんなんだ、この人。)

でも、顔が熱くなるのは、ワインのせいじゃない。

彼の言葉も、仕草も、声も――どれも私の感情を、じわじわと溶かしてくる。

それから一時間後。

ワインのせいで、頭の奥がぽうっとしているのがわかる。

(ああ……完全に酔ってる。これは酔ってる)

それなのに私は、なんでこんなことを口走っているんだろう。

「私……ハイスぺ男子が好きなんです。」

その瞬間、向かいにいた神堂先生が、ワインを吹き出しそうになった。

「……ハイスぺ?」

「そう。社長とか、御曹司とか、あと王子様とか。」
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