その恋、連載にしてやるよ〜人気作家に溺れていくなんて、聞いてません〜
「えっ!」

私は目を見開いた。

「……あっ、しょっぱい。」

ニヤリと笑うその表情に、また心を持っていかれそうになった。

「な、何するんですか!」

「泣いてる君が、可愛すぎてさ。」

鼓動が跳ねた。

嘘でも、本気でも――この人は、私の心を、またぐちゃぐちゃにしてくる。

乱れた髪を直すついでに、ふと自分の手に目を落とした。

あっ……ペンだこ。

指の側面に、小さく硬くできたふくらみ。

しかも、ボールペンのインクが線になって残ってる。

うわ、恥ずかしい……!

私はそっと、手を膝の上に引っ込めた。

「どうしたの?飲まないの?」

神堂先生の声に、慌ててグラスを取る。

その瞬間、彼の視線が、私の手に落ちた。

「……あー、あまり見ないでください。汚い手なんで。」

「どれどれ?」

神堂先生が身を乗り出す。

「ほら、ここ。タコできてるし、ボールペンの線とか……」

「うん」
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