相棒をS級勇者に奪われた俺、スキル【力の前貸し】で勇者を破滅へ導く!~全てを負債地獄に叩き落とし、新たな魔王として君臨する!
第7話 前貸し
スキルの射程距離は目視で100m。
仲間が向かってくる速さを考慮すると...
猶予は約7秒。
「!?ブ、ブォ.........」
オークから自分に魔力が流れ込んでくる。
その瞬間、視界にプロンプトが現れた。
そこには、負債と利子の詳細が記されている。
――――――――――――――――――――
リザヤ
借入れ元本 100魔力(エナジー)
利息 0.02%
使用MP 0
負債合計 250.002魔力(エナジー)
※詳細確認...「オープン」
※前借り停止...「リース解除」
(または一定期間、魔力を使わないことで自動解除。)
――――――――――――――――――――
100に達した時点で、前借りの作動を停止する。
次に、利息を確認する。
どうやら、一秒ごとに0.01%ずつ増えていくようだ。
「クローズ」
全て確認し、コマンドを閉じる。
「さて――」
2体同時に相手をするのは避けたい。
だが、猶予7秒のうち、3秒はすでに使った。
残り4秒で、近くのオークを最初に――
ガッ!!
木から飛び降りる。
下で待ち構えているオーク目掛けて。
ガチャッ
腰に携えた剣を握り、魔力を込めた剣を振り下ろす。
「ブギャアアアアアアア!!!!ブォ.........」
仲間が駆けつける前に、戦闘不能に。
一つ目の作戦は成功したが、ここからが最大の壁。
一匹目を倒せたのは、前借りのおかげだ。
自分を強化し、相手を弱体化させたのだから。
……だが今度は、真逆のことが自分に降りかかる。
「......」
返済のためには、力を前貸しするしかない。
格上のオークが前貸しで、さらに強化された状態。
絶望的な状況の中、戦わなければならない。
「ブオオオオオオオオオオ!!」
仲間がやられて激昂するオーク。
「力の前貸し」
その姿を視界に捉えながら、スキルをかけた。
前借りした魔力が、相手の方へ流れ出ていく。
オークにも負債コマンドが表示された。
「ブオッ!?....ブオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!!」
前借りした100魔力(エナジー)のうち、7割を相手に貸し出す。
30魔力を残した理由は、自分の元の魔力では太刀打ちできないからだ。
前貸ししたことで、さらに勢いを増したオーク。
斧が振り下ろされる――
直前、気絶したオークを盾にかざす。
「ブオッ!!?」
寸前で踏みとどまろうとする。
……だが、
ザーーーーー!!ガンッ!!!
勢いは消えず、そのまま岩に正面衝突。
その隙に、近くの茂みへ隠れる。
(....考えろ。奴から魔力を回収する方法を。)
…たしか、時間が経つほど利子は高くなるはず。
自分も前借り中だから、時間あたりの利子の増加率は同じ。
だが、前借りした魔力のうち、相手7割、俺3割。
同じ%でも借りた元本の多い、相手の方が負担は大きい。
隠れ続けて時間を稼ぐ手も?
…いや、ダメだ。
時間で利子が増えるとしても、一分でようやく0.6%の世界。
長期戦ならまだしも、今回は有効ではないだろう。
別の手段を考えるしかない。
「..........」
そういえば、プロンプトにはMPの項目もあった。
もしかしたら……
「オープン」
――――――――――――――――――――
リザヤ
負債合計 255.14魔力(エナジー)
前回利息 5.08%
借入れ元本 30魔力(エナジー)
利息 0.22%
使用MP 1/10
・
・
・
――――――――――――――――――――
予想通りだ。
使用MPの増加に比例して利率も高くなっている。
しかも、時間による増加よりも大幅に。
今回、MPを使ったのはオークを倒したときだけ。
恐ろしいことにそれだけで、5%も上がった。
だが、裏を返せば、相手との利子の差を作りやすいということ。
相手にできるだけMPを使わせるよう誘導すれば、高利子で回収できる。
「......!!」
まだ足を動かせない。
この案には致命的な課題がある。
それは、敵を翻弄し続けなければならないこと。
最低限、攻撃を全て交わせるだけの速さが必要だが......。
前借りで速さのみの補強ができるのか?
他の4つのステータスにも分散しそうだ。
分散する場合、途方もない魔力が必要。
しかし――
腑に落ちない点もある。
王宮を抜け出すため、初めて前借りしたとき。
莫大な魔力を借りずに切り抜けた。
S級勇者がいたにも関わらずだ。
オークより遥か格上の敵。
それでも、前借りで何とか生き残った。
思い返すと、あの時の前借りは異質だったかもしれない。
S級勇者を跳ねのけたとき。
魔法でステンドグラスを割ったとき。
たしか...それぞれ別の部位に向かって魔力が流れた。
まるで血液のように。
ただ、それは自分が意識的にしたことではない。
《~「前借り」を強制発動いたします。》
と声が届いた後、体が強制的に作用した。
...これもスキルの能力の一部かもしれない。
だとすれば、俺はまだスキルを自力で使いこなせていない状況。
少し口角が上がる。
「まだ伸びしろがありそうだな。」
魔力を特定の部位に流す能力。
これが、分散された魔力を補う何かがあると考えている。
その何かさえ明らかになれば...
発揮できるはずだ。
力の前貸しの真価を!
仲間が向かってくる速さを考慮すると...
猶予は約7秒。
「!?ブ、ブォ.........」
オークから自分に魔力が流れ込んでくる。
その瞬間、視界にプロンプトが現れた。
そこには、負債と利子の詳細が記されている。
――――――――――――――――――――
リザヤ
借入れ元本 100魔力(エナジー)
利息 0.02%
使用MP 0
負債合計 250.002魔力(エナジー)
※詳細確認...「オープン」
※前借り停止...「リース解除」
(または一定期間、魔力を使わないことで自動解除。)
――――――――――――――――――――
100に達した時点で、前借りの作動を停止する。
次に、利息を確認する。
どうやら、一秒ごとに0.01%ずつ増えていくようだ。
「クローズ」
全て確認し、コマンドを閉じる。
「さて――」
2体同時に相手をするのは避けたい。
だが、猶予7秒のうち、3秒はすでに使った。
残り4秒で、近くのオークを最初に――
ガッ!!
木から飛び降りる。
下で待ち構えているオーク目掛けて。
ガチャッ
腰に携えた剣を握り、魔力を込めた剣を振り下ろす。
「ブギャアアアアアアア!!!!ブォ.........」
仲間が駆けつける前に、戦闘不能に。
一つ目の作戦は成功したが、ここからが最大の壁。
一匹目を倒せたのは、前借りのおかげだ。
自分を強化し、相手を弱体化させたのだから。
……だが今度は、真逆のことが自分に降りかかる。
「......」
返済のためには、力を前貸しするしかない。
格上のオークが前貸しで、さらに強化された状態。
絶望的な状況の中、戦わなければならない。
「ブオオオオオオオオオオ!!」
仲間がやられて激昂するオーク。
「力の前貸し」
その姿を視界に捉えながら、スキルをかけた。
前借りした魔力が、相手の方へ流れ出ていく。
オークにも負債コマンドが表示された。
「ブオッ!?....ブオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!!」
前借りした100魔力(エナジー)のうち、7割を相手に貸し出す。
30魔力を残した理由は、自分の元の魔力では太刀打ちできないからだ。
前貸ししたことで、さらに勢いを増したオーク。
斧が振り下ろされる――
直前、気絶したオークを盾にかざす。
「ブオッ!!?」
寸前で踏みとどまろうとする。
……だが、
ザーーーーー!!ガンッ!!!
勢いは消えず、そのまま岩に正面衝突。
その隙に、近くの茂みへ隠れる。
(....考えろ。奴から魔力を回収する方法を。)
…たしか、時間が経つほど利子は高くなるはず。
自分も前借り中だから、時間あたりの利子の増加率は同じ。
だが、前借りした魔力のうち、相手7割、俺3割。
同じ%でも借りた元本の多い、相手の方が負担は大きい。
隠れ続けて時間を稼ぐ手も?
…いや、ダメだ。
時間で利子が増えるとしても、一分でようやく0.6%の世界。
長期戦ならまだしも、今回は有効ではないだろう。
別の手段を考えるしかない。
「..........」
そういえば、プロンプトにはMPの項目もあった。
もしかしたら……
「オープン」
――――――――――――――――――――
リザヤ
負債合計 255.14魔力(エナジー)
前回利息 5.08%
借入れ元本 30魔力(エナジー)
利息 0.22%
使用MP 1/10
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予想通りだ。
使用MPの増加に比例して利率も高くなっている。
しかも、時間による増加よりも大幅に。
今回、MPを使ったのはオークを倒したときだけ。
恐ろしいことにそれだけで、5%も上がった。
だが、裏を返せば、相手との利子の差を作りやすいということ。
相手にできるだけMPを使わせるよう誘導すれば、高利子で回収できる。
「......!!」
まだ足を動かせない。
この案には致命的な課題がある。
それは、敵を翻弄し続けなければならないこと。
最低限、攻撃を全て交わせるだけの速さが必要だが......。
前借りで速さのみの補強ができるのか?
他の4つのステータスにも分散しそうだ。
分散する場合、途方もない魔力が必要。
しかし――
腑に落ちない点もある。
王宮を抜け出すため、初めて前借りしたとき。
莫大な魔力を借りずに切り抜けた。
S級勇者がいたにも関わらずだ。
オークより遥か格上の敵。
それでも、前借りで何とか生き残った。
思い返すと、あの時の前借りは異質だったかもしれない。
S級勇者を跳ねのけたとき。
魔法でステンドグラスを割ったとき。
たしか...それぞれ別の部位に向かって魔力が流れた。
まるで血液のように。
ただ、それは自分が意識的にしたことではない。
《~「前借り」を強制発動いたします。》
と声が届いた後、体が強制的に作用した。
...これもスキルの能力の一部かもしれない。
だとすれば、俺はまだスキルを自力で使いこなせていない状況。
少し口角が上がる。
「まだ伸びしろがありそうだな。」
魔力を特定の部位に流す能力。
これが、分散された魔力を補う何かがあると考えている。
その何かさえ明らかになれば...
発揮できるはずだ。
力の前貸しの真価を!