Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)

外伝「あの日の二人と妹弟」(13)

草壁家は、自分の家より親しみを持っているかもしれない。
 口数は多くなくても穏やかで優しいお父さんも大好きで、
 咲来や爽くんもいる。
「よく見たら美耶子さんって咲来に似てますよね」
「そりゃ親子やもん」
 綺麗で上品で意外に豪快なお母さんだ。
 案内された居間に涼ちゃんと座る。
「咲来が、呆れるくらいラブラブやったって」
 美耶子さんに言われ、ふふっと笑う。
 テーブルに置かれた湯呑みにはほうじ茶が注がれていた。
「普通ですよ! 彼女は見慣れてなかっただけなんです」
「……恋愛運を分けたったらええんやろな」
「咲来はいい子だから自分で切り開けるわ」
「あの子らと一緒に行ってくれてありがとう」
 しみじみお礼を言われ照れてしまう。
「みんな大好きです。とっても楽しかった」
「既に家族のようなもんやな」
 涼ちゃんの言葉にまた嬉しくなる。
 おばあちゃん家でも家族みたいな時間を過ごせて、
 思い出が作れた。
 一泊二日の旅行はとても濃いものだった。
 涼ちゃんと二人きりであんなに
 甘い時間を過ごしたのもきっと初めてだった。
 思い出すと頬が熱くなってくる。
 からかわれそうだったのでお茶を一気飲みした。
「菫子ちゃんが嫁に来てくれるなんて
 涼、でかしたな」
「そんなん前から言ってたやろ」
「謙虚でいなさい。
 こんなしっかりしてて、いいバランスのかわいい子は菫子ちゃんしかおらんよ」
 いいバランスってどういう意味かは聞かないことにしよう。
 顔を横に向けて頬のほてりをごまかした。








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