Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)

2、Forever Mine(4/☆☆)


「永遠に俺だけのものや」
 涼ちゃんは何度も同じ言葉を繰り返す。
 掠れた声を耳元に降らせるから、
まるで中毒にかかったみたいに体が麻痺するようだ。
 普段とのギャップがあるからこそ余計ときめくのだろうか。
「私はずっと、あなた一人の物よ」
 離さないで。
 涼ちゃんの背中に腕を回して、濃度の高いキスを交わす。
「ああ……菫子、好きや」
「涼ちゃ……ん」
 濡れた声が、またお互いを駆り立ててゆく。
 痛みなんて吹き飛ばすほどの快楽。
互いの温度を感じあって、揺れる度に愛しさで涙がこぼれた。
 やがて意識が真っ白に濁った時、脱力した彼を受け止めると、
 切ないほどに強く抱きしめられる。
 頭を引き寄せられて、見つめ合い、うなづいて瞳を閉じる。
 同じ夢の中で会えることを二人願いながら。

 いつもとは違う眩しい朝。
 抱きすくめられた腕の中でまどろみから目覚める。
 驚かせたらいけないから、腕から抜け出さずそのまま瞳だけを開いた。
「涼ちゃん、おはよう」
「ん……」
 寝ぼけているのかしら。
 細く開かれた瞳が、私を映す。
「今日も明日も一緒の朝、迎えられるのね」
 言葉にして確かな実感をする。
「当たり前やろ」
 ぐっと肩を引き寄せられて額に口づけられる。
「涼ちゃん」
「菫子は温かいな」
「涼ちゃんの側にいるから温かいの」
 涼ちゃんはきょとんとした後、爆笑した。
「な、何!? 」
「ほんま菫子でよかったわ」
「……うん」
「これからよろしくな。奥さん」
「ええ。あなた」
 自分の言葉に吹き出してしまった。
 気恥ずかしさが…………。
「あなたなんて言わんでええ。今までも
これからも涼ちゃんって呼ばれたいんや」
「分かったわ」
 うん、私も呼びたいわ。
「俺も時々、すみれって呼んでもええ? 」
「……いいわよ」
 クスクスと笑って思いっきり抱きついた。
 陽気だったり男っぽかったり可愛かったり、とっても魅力的な人ね。
「今の顔、可愛い」
 髪をくしゃくしゃっと掻き混ざられたから、私もお返しをする。
「お互い子供じゃないんだから」
 咎めてない。笑いが止まらないのだ。
 時にはふざけて羽目を外すのもいい。
 笑い合って暮らしていければいいね。
「チェックアウト、ぎりぎりまでこうしていようか」
「それいい」
 何をするでもなくただ、寄り添って。
 この愛しさは、永遠に二人だけのものだ。
 側にある温もりに安心しながら、再び瞳を閉じた。
 次は、どっちが先に目を覚ますのだろう。
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