Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)
2、Forever Mine(3/☆☆)
「菫子」
すたすたと歩いていった涼ちゃんは、化粧台の前の椅子を指差す。
自分は鏡の前に立ち、私に座るように促したのだ。
不可思議に思いながらも、こくんと頷いて椅子に座ると
彼はかくんと足を折り曲げて中腰になる。
一瞬、瞳を細めて私を見てから、彼はすっとドレスの裾を捲った。
太腿に嵌めているガーターベルトをするりと唇に咥えて外してゆく。
履いていたヒールまで唇で脱がして悪戯っぽく笑う顔は、妙な色気がある。
私の足は部屋の照明と鏡により曝け出されている。
素足を見られるって妙に恥ずかしい。
「むっちゃそそられる」
とくんと心臓が音を立てる。
見上げてくる涼ちゃんの眼差しが、
情熱的で、私を求めているのが感じられた。
涼ちゃんの指先が、太腿から下に滑り降りる。
指の冷たさにびくんと震えた。
「……んっ」
ドキドキが止まらないのは、特別な日で特別な場所だから?
外されたガーターベルトはといえば化粧台の上に置かれていた。
涼ちゃんはまだ膝を立てた体勢でいる。
タキシードにつけていたネクタイもいつの間にやら外しているようだ。
至近距離で真顔で見つめられたら恥ずかしい。
どうすればいいのか分からなくなって、視
線を背けかけた時、ふわりと体が浮いた。
なんて自然な動作なのだろう。
「涼ちゃん」
情欲の灯った瞳。
下ろされた場所の柔らかさが、更に心臓を追い立てる。
ぱちんと音がして照明が消え、ベッドサイドのほのかな明かりが灯された時、
見上げればその先には天井ではなく涼ちゃんがいる。
視界を覆い尽くすのは愛しい人。
その頬を掌で包み込んでささやく。
「涼ちゃん、愛してる」
触れた肌の温かさが、い物じゃない彼だと教えてくれる。
「菫子は永遠に俺だけのものや」
語尾が聞き取れるかどうかの所で唇が重なった。
首に腕を絡めて唇を交わし続ける。
甘い熱が交差して、体中の力が抜けていく。
乱されたドレスが淫靡な香りを醸し出す。
涼ちゃんの髪が、首筋に落ちてくすぐったい。
吐息が鎖骨にかかって体が火照りだす。
涼ちゃんの唇と指先に強いアルコールよりも痺れを感じ、瞳を静かに閉じていった。