夏休みの自由課題について
『うん。だからKが帰る時間に図書館には誰もいないはずだよ。それに、あんなに遠くの窓なんだから相手のネームまでは見えないと思うけど』

友人ふたりからの指摘にK君はグラウンドから図書室の窓を見上げてみた。
K君が見ていた窓は3階の窓で、人がグラウンドを見下ろしていたとしてもその顔はハッキリとは見えないはず。

K君は大慌てで友人ふたりと図書室へむかったとき、開いたドアの隙間からものすごいスピードで這い出て逃げていく、膝から下がない少女の姿を目撃した。

その子のネームには『岡田』という名前が書かれていたらしい。



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