夏休みの自由課題について

七つ目の都市伝説

●●村に存在した大場家のお屋敷では３０人ほどの使用人たちが働いていた。
その中でも若くて綺麗な女の使用人は年頃になると主人の計らいによって嫁ぎ先を探してもらうこともあった。

本が大好きで毎日暇を見つけては主人が貯蔵している本を借りて読みふけっている使用人もまた、年頃だった。
器量も悪くなく、仕事もできる。

大場家の主人からしてもいい家に嫁がせてやりたいという気持ちがあった。

けれど当人にとっては結婚よりも本を読むことのほうが大切なようで、あまり自分の婚期を気にしていない様子だった。

結婚に執着しない使用人のその態度に好感を持ったのは、同じ使用人の男だった。