四ツ指
そんなことがあってから数日後、あの神社で「さそい祭り」と言う名のお祭りが開かれるとポスターが貼ってあった。そのお祭りは8年に一度開かれるらしく、どうやらその日は三日月の日らしい。私はまだ9歳になっていないからそのお祭りのことをおぼえてはいない。お母さんに聞いても、
「そんなお祭りあったかしら?」
というばかり。ちーちゃんと行きたいけどやっぱり無理かな。この間のこともあるし、ひとりで行くのは怖いしな。それでもあの子が気になる。私はこりもせず、ちーちゃんのうちに向かった。インターフォンを鳴らすとまたおばあちゃんの声。
「どなたですかの?」
「なつみです。ちーちゃんの友達の。」
「あ〜あの、ちーの心配をしてくれてる友達ね。」
「はい、こんどのお祭りちーちゃんと行きたくて。」
「お祭り?」
「さそい祭りです。」
「あの祭りかの?四つ指神社のか。」
「ヨツユビ?」
「あの古い神社はヨツユビさんを祀っておるんよ。」
「聞いたことはないんか、ヨツユビさんの話は。」
「はい。」
「そうだの。えらい昔の話じゃけん、知らん人のほうが多いかもな。」
「話が長くなりそうだからはいりんしゃい。」
おばあちゃんはそう言ってドアをあけてくれた。
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